『千一夜物語』で読み解く“美容”(7)

「大臣ヌーレディンとその兄大臣シャムセディンとハサン・バドレディンの物語」は親子2代にわたるお話。

前回のつづきです。

ヌーレディンの息子ハサン・バドレディンは、運命の糸に引き寄せられ、叔父シャムセディンの娘セット・エル・ホスンとめぐり逢います。
しかも、セット・エル・ホスンの結婚式の日に。

シャムセディンに憤慨した王は、彼女をせむし男に嫁がせる命令をしたのです。

婚礼の準備を終え、花嫁姿のセット・エル・ホスンは応接の間に現れました。
そのフーリー(天女)のような美しさ!

彼女は龍涎香(アンバーグリス)と麝香(ムスク)とバラの香りを漂わせ、丁寧にブラッシングされた髪の毛は絹のヴェールの下で輝いていました。
豪奢な着物から見事に浮き立っている両肩。

その服装にいたっては、華麗そのもの。
獣や鳥が描かれた上着の下には、神のみぞ知りえる、高価な着物を身に着けていました。

ネックレスのひとつひとつの宝石は、王でさえ見たこともないほどの希少な品で、その価値は計り知れないほどです。

花嫁セット・エル・ホスンの可憐さを月にたとえ、「十五夜の満月と同じぐらい」だったと表現されています。

※Health & Beauty Review(講談社)のブログ「イスラム美容研究」で掲載された記事です。