モロッコの蒸気風呂ハマムは至福のエステサロン

モロッコの蒸気風呂ハマムは銭湯に似た公衆浴場で、女性たちはここをエステサロンとして活用します。

お風呂場“エステサロン”の歴史は古く、古代エジプト時代には、「花や果実を浮かべたお湯で入浴し、灰や粘土で体を洗い、植物エキスを加えたオイルでマッサージをする」といった入浴美容がありました。

古代ギリシャでも、芳香植物を使ったオイルマッサージなどの入浴時のお手入れは行われていたそうです。

それを進展させたのが、ローマ帝国。

映画「テルマエ・ロマエ」で描かれていたように、古代ローマで娯楽的な公衆浴場文化が発達したのです。

その入浴文化を独自に進化させたのが、アラブ地域に定着している蒸気風呂ハマムです。

ハマム文化が盛んなモロッコは、その昔、ローマ帝国の領地でした。
いまでも国内には遺跡が残り、首都ラバトのサラにその面影を見ることができます。

むきだしになったフォラム(公共広場)の土台や、商店だったというアーチ型に装飾した建物、神殿跡やメイン道路などが残存しています。

イスラム世界では、都市の建設時に公衆浴場ハマムが必ず建てられ、ハマムの数がその都市の繁栄の証明でした。

ただ、ハマム文化がイスラム圏全域にそのまま残っているわけではないようです。

日本に来日したイラクの女性を「温泉」に誘った際、「お風呂は子どものときからひとりで入る。他人と一緒なんて~」と戸惑っていたので…。

モロッコのハマムは、ワイワイにぎやかで笑いが絶えず、日本の銭湯や温泉の風景にそっくり。

ハマムには、垢すりやマッサージ、キャラメル脱毛などのプロ(エステティシャン)がいて、しっかりお手入れしてもらえます。

女性たちがハマムに持参するのは、黒石けん、ガスール、ヘンナ、アルガンオイル、垢すりミトンなどなど。
これらをタッサ(桶)に入れて出かけます。

写真はモロッコで買った、垢すりミトンと軽石、黒石けん、ガスールです。

家庭の浴室でも、モロッコのハマム体験ができますよ。

浴室をキャンドルでともし、エッセンシャルオイル入りの入浴剤を加えると、異国情緒ムード満点!

ぬるめのお湯でゆっくり半身浴し、毛穴が開いたら、垢すりミトンで全身垢すり。
汚れを流したら、石けんで洗います。

次はガスールの全身パック。その後は香りのオイルでマッサージを。
ハマムのフルコースは2~3時間ほどかかりますが、メニューはお好みで組み合わせましょう。

全部やらなくちゃ、と気合を入れすぎないのが、ハマムを楽しむ秘訣です。

※Health & Beauty Review(講談社)のブログ「イスラム美容研究」で掲載された記事を加筆しました。

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